作州武蔵カントリー倶楽部
老舗ゴルフ場がクラウドシステム導入で変革 お客さまにとっての利便性も向上し、2025年問題への備えも強化

導入前の課題
導入目的
- 課題1
- 従来のシステムは感覚的な操作がしにくかったことに加え、オンプレミス型システムだったため、法改正などで改修が必要となる度に多額の費用が発生していた
- 課題2
- 宿泊とゴルフをパッケージで利用するお客さまの精算で誤りが生じた場合、システム会社に都度問い合わせなければならず、ホテルシステムとゴルフ場システムで別々に記録された売上データを再度まとめ直す煩雑な作業が発生していた
導入後の効果
- 効果1
- 感覚的に操作できるクラウド型システムの導入で、スタッフの作業効率やモチベーションが向上した
- 効果2
- ゴルフ場スタッフによる一気通貫の管理方式導入で、従来の売上合算時に発生していた手戻り作業がなくなった
2025年問題、人材不足時代に対応する運営体制の構築を目指す
運用工夫を絡めた「目から鱗」の提案でGRAIN CLOUDの採用を決定
ゴルフ場の紹介をお願いします。
巻島氏:作州武蔵カントリー倶楽部は1975年に開場し、今年で50年の節目を迎えました。27ホールのゴルフコースで、播磨コース、美作コース、因幡コースの3コースからなります。 特に、美作コースの8番ショートホールは作州武蔵カントリー倶楽部の名物ホールだと自負しています。グリーンの手前に大きな池があり、ティーイングエリアのスイッチを押すと噴水が噴き上がる仕掛けがあるのです。作州武蔵カントリー倶楽部の名前を聞くと「あの噴水が出るところだね」と思い出していただくこともあります。

巻島さまの役割についてお聞かせください。
巻島氏:ゴルフ場の支配人とホテルの支配人の両方を兼務しており、それぞれの運営ならびに経営全般を任されています。
また、運営部長も兼務し、現場のスタッフと密接に連携しながら、業務改善などの提案も行っています。具体的には、予約の備考欄の書き方に関して、誰もが使いやすいユニバーサルデザインを目指したルール決めや、日々のミーティングや営業日報で上がってくるシステムに関連したイレギュラーな課題などへの解決策の提案などです。

GRAIN CLOUDで活用している機能についてお聞かせください。
巻島氏:私がいつも確認しているのは、予約シートとデイリーシートです。運営部長も兼ねているので、チェックインの画面や精算の画面、また、ポイント管理やテーブルオーダー機能も活用しています。
テーブルオーダーは多い日で7割、少ない日でも3割ほどの使用状況です。現在はスタッフオーダーと併用していますが、将来的にはテーブルオーダー一択にしていくことを目指しています。
2025年問題(注1)に代表されるゴルフ人口減少などへの課題に対応できる業務効率化、人が少なくても運営がスムーズに回る運営体制づくりのために導入しました。
(注1)2025年問題とは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、社会構造や体制に大きな変化が予想されることを指します。
無人チェックイン機能や自動精算機との連携もされていますか?
巻島氏:はい、自動チェックイン機はフロントに設置しています。従来はフロント窓口を2人体制で運営していました。現在は、それぞれの片側に自動チェックイン機のコーナーを配置し、2人で4人のお客さまに対応できる形にしました。スムーズなチェックインを実現しながら、自動チェックイン機の浸透を図っています。
GRAIN CLOUD導入前の問題点・課題についてお聞かせください。
巻島氏:導入前に使用していたシステムの操作性が非常に悪かったことや将来的なランニングコストの懸念があったこと、請求金額の相違が発生した際の原因が捉えにくく、修正に煩雑な工程が必要だったことが課題でした。
独自開発されたオリジナルシステムだったため、機能的な面では実態に即している部分もありましたが、感覚的な操作がしにくかったのです。
また、インボイス制度のような法改正などへの対応が必要になる度に、多額の改修費用が発生してしまう状況でした。
さらに、宿泊とゴルフをパッケージで利用するお客さまの精算時に、ホテルの売上はホテルシステム、ゴルフ場の売上はゴルフ場システムで管理し、それを連結させて精算する仕組みをとっていました。最終日にまとめて精算できる利点はあったものの、どこかに誤りがあった場合には、状況に応じてシステム会社に問い合わせて問題を特定し、修正後に再度連結するという煩雑な作業が必要でした。
システムの入れ替えを検討した時期はいつ頃でしょうか?
巻島氏:検討し始めたのは約2年前になります。
どのようなシステムの導入を検討されたのでしょうか?
巻島氏:まず探したのは、ホテルシステムの機能がゴルフ場システムに組み込まれているものです。我々と同様の形態で運営している近隣ゴルフ場に視察に行ったりして情報を集めましたが、当社のホテル事業の規模と内容に対応できるシステムを探すのは難航しました。
オンプレミス型のシステムでは将来的に同じ課題へ直面する可能性が高いことも踏まえ、既存のシステムから探すだけではなく、運用工夫を通して課題解決できる方法がないかの情報収集にシフトしていきました。
導入を検討したシステムがあれば教えてください。
巻島氏:近隣ゴルフ場が利用していたものも含め、複数のゴルフ場基幹システムを比較検討しました。
ただ、どのシステムも説明を受けた程度です。宿泊施設に関する対応範囲を確認していくと「現状ではここまでしか対応できていません」と、話が終わってしまう形でした。
GRAIN CLOUDを採用した理由についてお聞かせください。
巻島氏:運用面での工夫を検討し始めた時に、グレイン社と縁があり相談する機会がありました。そこで提案されたのが、「ゴルフ場システムとホテルシステムを無理に統合せず、ゴルフ場スタッフは両方のシステムを操作できるようにする」というものでした。
ゴルフ場スタッフ用にデュアルモニター環境を用意し、片方はゴルフ場システム、もう片方にホテルシステムを表示して、両方のシステムをシームレスに操作できるようにすれば、ホテル側の精算金額等に誤りがあった場合でも速やかに対応できることになります。「目から鱗」とはまさにこのことでした。
この方法が一番良いだろうということで、GRAIN CLOUDを採用し、宿泊客向けには専用のホテルシステムで対応するという棲み分けで整理しました。

ゴルフ場運営や現場の実態を理解している担当者による適切な提案に感動
GRAIN CLOUDを採用した時期を教えてください。
巻島氏:GRAIN CLOUDを採用したのは2025年2月頃ですね。
運用方法の提案以外で評価した点があれば教えてください。
巻島氏:採用時に期待感を持った点として、ゴルフ場に関する幅広い知識があり、運営についても理解してくれていた点が挙げられます。ゴルフ場での実務経験を持っていた方が担当してくださったこともあり、現場の肌感覚やゴルフ場の現状、そして将来の動向を理解している人がサポートしてくれるという点に期待感が持てました。「スタッフはこういう悩みを抱えているだろう」と現場を想像して開発に落とし込み、寄り添ってくれていることが、スタッフのモチベーションにもつながっていると感じています。
GRAIN CLOUDの使いやすさの一例を挙げていただけますか?
巻島氏:名前検索機能の使い勝手が良いですね。細かな機能ではありますが、現場で操作する側からすれば大きな問題です。そういったところでも、以前感じていた小さな不便がなくなり、感動してしまいました。
具体的には、ひらがなで名前検索ができるのは非常に良いと感じています。キーボードで最初に入力するのはひらがなですから、その状態で検索できるのは理にかなっていますよね。
ありがとうございます。GRAIN CLOUDの導入で課題は解決しましたか?
巻島氏:はい。前述したように、操作性が上がったと同時に、以前の売上合算時に発生していた手戻り作業はなくなり、作業効率が向上しました。また、ポイント管理機能の活用で、お客さまが自分のタイミングでポイント残高や有効期限を確認できるようになり、お客さまにとっての利便性も向上しました。
GRAIN CLOUDの費用についての評価はいかがですか?
巻島氏:システム自体の費用面については皆が好意的に評価し、異論もありませんでした。
GRAIN CLOUDと合わせてPCなどの導入も行っていただきましたね。
巻島氏:旧システムの導入から5年が経過し、自動精算機を含めた機器が耐用年数に達していたタイミングでもあったため、パソコンなども新たに購入しました。本社から仕入れ先についての提案もありましたが、何かあったときにも対応してもらいやすいだろうと考え、グレイン社にお願いしたのです。
27インチのモニターを提案いただいた際、私もスタッフも「大きすぎるのでは」と懸念しました。GRAIN CLOUDの担当者からは「最初はそう言うけれど、多くのゴルフ場から結果的には良かったと言われる」とアドバイスされ、それを信じて導入しました。導入後は実際にスタッフから「27インチから戻れない」と言われるまでになり、本当に適切な提案をしていただいたなと思っています。
大型モニターを導入したことで、どのような効果があったのでしょうか?
巻島氏:メリットは複数ありました。当社はスタッフの平均年齢が50歳を超えています。スタッフが老眼鏡をかけたり外したり、画面との距離を調整しながら作業している姿を見て、解決してあげたいと考えていました。今回大きなモニターを導入することで、そういった点での操作性が上がったと思います。
また、予約スタッフ向けにデュアルディスプレイを初めて導入したことで、ホテルとゴルフ場のシステムを同時に表示できるようになりました。お客さまからの矢継ぎ早の質問にも即時に回答できるようになり、応対品質も向上しています。
GRAIN CLOUD導入にあたって、スタッフにはどのような声がけをされたのでしょうか?
巻島氏:システムの導入が決定した時に主要メンバーを集め、旧システムは当社の運営のやり方に合わせてもらっていたが、これからの時代は積み上げられたノウハウで作られたシステムにわれわれが合わせていく必要があること、本来クラウドはカスタマイズを前提としていないが、当社の特殊な事業形態を考慮して対応してもらっており、これからも拡張可能性があることを伝えました。
時を同じくして、フロントに新しいスタッフが入ったり、他部署から引き上げる形でマネージャーを迎えたりするなど、体制も変わりました。システムの入れ替えと体制の変更が同時に行われたことにスタッフも動揺したかと思いますが、これから徐々に慣れて力をつけていってくれると期待しています。
グレイン社へ期待することや要望があれば、教えてください。
巻島氏:宿泊ゴルフパックのお客さまの売掛精算について、引き続き改善をお願いしたいと思います。この点に関しては自社でできる工夫についても模索しながら、相談し続けたいですね。
その他、20年の業界経験を通じて得た「こうあったら良いな」というアイデアもあります。それが多くのクライアントのニーズに共通する機能だと判断していただけるならば、ぜひ検討いただきたいと思っています。
ありがとうございました。最後にこれからの展望をお聞かせください。
巻島氏:2025年問題を迎えて人材確保がさらに厳しくなるなか、人的サービスとしての良さは残しつつも、システムを活用して効率化することは不可欠です。常にお客さまへ快適な環境を提供し続けるためには、積極的にDX化を進めていくことも含め、業界全体で広い視野を持って取り組んでいく必要があると考えています。
作州武蔵はゴルフ場が開場50年、ホテルも本館は30年、別館は40年が経過しました。品質の高い施設として、これからもお客さまに「また行きたい」と思っていただけるゴルフ場、ホテルを目指して、スタッフと共に知恵を絞り、努力していきます。そのなかでGRAIN CLOUDの力を借りながら、本業に邁進していきたいと考えています。


作州武蔵カントリー倶楽部
- 所在地
- 岡山県美作市大町878
- 運営企業
- ハリマ化成商事株式会社
- 事業内容
- ゴルフ場・ホテル運営事業、不動産管理事業、倉庫業
- URL
- https://www.sakushu-musashi.co.jp/golf/